神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「お前に……この世界を好き勝手にはさせん!!」


それに、約束したんだ。


初めて、愛しいと思えたあの子に。


そばにいると。


一緒に、生きていくと。


『おのれ、ちょろちょろと!』


8つの頭と尾が、我を叩き潰そうと振り回される。


あちらこちらで破壊された大地から土煙があがり、石つぶてが目をつぶそうと狙ってきた。


それらをなんとか避けながら、固い鱗のない腹だけを狙う。


けれど。


「ぐぅ……っ、あ……っ!!」


もう少しでその腹を破れる。


そう思った瞬間、横からの衝撃に吹き飛ばされた。


オロチの尾にやられたのだと気づいたときには、手下の妖怪たちに囲まれていた。


倒れた我の息の根を止めようと、群がってくる。


「触るなっ!」


傍らに落ちていた杖を拾い、起き上がりざま、力任せに振り回す。


金色の光に切断された敵が、バタバタと倒れ、灰になっていった。



< 306 / 379 >

この作品をシェア

pagetop