神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「馬鹿は……どっちよぅ!」
あたしは構わず、四郎くん向かって一直線に走る。
背後では、妖怪たちがスサノオ兄弟を襲い始めたような音が聞こえた。
ごめんね、二人とも。
だけどあたしは、とにかくこの人と話をつけないと。
四郎くんの前に立ったあたしは、そのエリをつかんで、にらみつけた。
「なんで一人で行っちゃうの?
一緒にいるって言ったばかりなのに!」
「おい」
「あなたほんとに稀代のペテン師だよ!
このいんちきキリシタンーーーーっ!」
「美心……」
ブルーの瞳が、ゆらりと揺らめく。
あたしはたまらずに、ぎゅっと四郎くんに抱きついた。
「どこにもいかないで」
なんであなたがお母さんの催眠を解いて、記憶を消していったのか。
なんで、こんな格好をしているのか。
あたしが気づかないとでも思ったの?
「おいていかないで……!」
あなたは、きっと……。