神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「お前らっ、こんなときにくだらねー痴話げんかしてんじゃねえよっ!」
眩しい雷鳴と共に、雷牙の怒鳴り声が落ちてきた。
そりゃそうだ。ごめんなさい。
妖怪たちを切り裂き、戻ってきたリングを受け止めながら、風牙くんがあたしたちに聞く。
「もう登校時間だ!どうする?」
うそ、もうみんなが登校してきちゃってるの?
妖怪の姿は見えないだろうけど、オロチがみんなを無事でいさせてくれるとは思わない。
きっと今までのような、パニックになっちゃう。
「美心、発情期兄弟のところまで離れていろ」
「四郎くん……」
「大丈夫だから」
ふっと笑った彼は、あたしの背中を押す。
「美心!」
雷牙と風牙くんが、妖怪たちの頭を飛び越え、近くに来てくれた。
オロチに止められているからか、妖怪たちはまだ、あたしの方に攻撃をしようとはしない。
「よしお前たち、美心を連れていけ。
できるだけ遠くに」
「そんな……っ」
「お前はどうするつもりだ?
勝算はあるのか」