神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
風牙くんに冷静に問われ、四郎くんはにやりと笑う。
「わからん。が、やってみる」
いつものように、自信満々な表情に、思わずうなずきかけるスサノオ兄弟。
だけど、あたしだけは騙されない。
あなたがピンチの時でも笑っているのは、虚勢をはっているから。
あたしたちを安心させたくて、だから自分の緊張を笑顔で隠すの。
「ダメ……」
離れたくない。
ぎゅっと四郎くんのそでをつかんだ瞬間、崩れた教会の上にいたオロチが、恐ろしい声で笑う。
『さて……そろそろ、本気を出すとするか』
8つの頭と尾がゆらりと揺れる。
それだけで、強い風が巻き起こった。
お祭りのときの暴風と同じだ。
風牙くんの清浄な風とは違って、まるで妖気をそのままぶつけられているような、生暖かい不快な風。
『ちょうどいい。
たくさんの人間も……すべて、餌食にしてくれよう』
きっと、登校してきた生徒たちのことを言っているんだろう。