神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


オロチの8つの首が、八方から四郎くんを狙う。


それが彼の体を傷つける直前、十字の杖がまぶしい光を放った。


「我と共に帰るのだ!!」


四郎くんはそう叫ぶと、天高く振りかざした杖を、教会の瓦礫の山に突き立てた。


「あれは!」


あたしを追ってきた風牙くんが、光が帯になって漏れている瓦礫の山を指さす。


勢いよく吹き飛んでいく瓦礫の中から現れたのは。


チョークで描いた、いんちき魔法陣……。


それはふわりと宙に浮かび、オロチも怯むほどの白い光を放つ。


「なんだ、あれ……」


いつの間にか近くにいた雷牙も、目を細める。


あまりのまぶしさに、少しずつ目が慣れてきたかと思ったそのとき……。


宙に浮かんでいた魔法陣が巨大化し、足元の地面にはりついた。


何事かと、他の妖怪たちはそこから離れていく。


『おのれ……っ』


オロチは魔法陣から溢れる光で、動きを制限されているみたい。


このすきに、浄化しちゃえば……!


オロチに手をのばそうとした、そのときだった。

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