神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


四郎くんは再び杖を天に振りかざし……思い切り、魔法陣を突いた。


「時空よ……もう一度、その門を開け!」


低い声が、魔法陣の中に響き渡る。


五芒星のそれぞれの端から、光の柱が天に伸びた。


地が揺れ、立っていられなくなる。
近くにいた風牙くんにしがみつく。


「おい、あれ……!」


雷牙が指さす方を見ると、オロチのお腹の下に、黒い渦が巻いていた。


あれは……以前に、見たような気がする。


そう、四郎くんとオロチを召喚してしまったとき、教会の屋根に現れたブラックホールみたい。


渦はあっという間に、四郎くんの足元まで広がっていく。


まさか……!


「四郎くん!!」


できる限りの大声で叫ぶと、四郎くんはやっとこっちに気づいたみたい。


ブルーの目を見開くと、早口で叫び返した。


「魔法陣から出ろ!早く!そうでないと……っ」


その間にも、とうとうあたしとスサノオ兄弟の足元まで、渦は広がった。


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