神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「おい、なんなんだよいったい……」


「なにが起こったんだ?ここはどこだ?」


スサノオ兄弟の姿が見えて、ホッとしたのもつかの間。


『ここはどこ?私は誰?』状態のあたしたちに、四郎くんが怒鳴りつけた。


「見てわからんのか!

ここは江戸時代の原城本丸……オロチと我の、決戦の地だ」


「え、ええっ!?」


慌てて、煙がおさまりつつある周りを見る。


たしかに足元は板張り、背後にはふすま……だけど、天井が崩れてしまったため、お城なのかどうか、よくわからない。


けど、すぐ近くに四郎くんの目みたいな青い海が広がっている。


たしか、原城の近くには海があったず。


そして、裏側を見ると、すでに燃えている建物が見えた。


「とすると……あれは先に攻撃されたという、二の丸と三の丸か?」


風牙くんが推測する。


この本丸だけが、まだ残っているんだ……。


「我らの一騎打ちのはずが……なんでお前たちがいるんだ!

だから逃げよと言ったではないか!

この役立たず兄弟!ぼんやり小娘!」


そ、そんな……。


やっぱりあたしたち、江戸時代にトリップしてきちゃったの?


ありえない!!


「なんか……焦げ臭くないか?」

「そういえば」


スサノオ兄弟が気づくと、四郎くんは当然のように言う。


「すでに火を放たれているからな。

早く決着をつけねば、全員燻製になるぞ!」


ひ、ひいいいい!

そんなのいやぁぁぁぁ!


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