神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「でも……ちょっと待ってよ!」
ということは、この場所に魔法陣で空間をつなげたのは、四郎くんの確信犯だということ。
「なんで一人で帰ろうとするの!」
「あのままでは、他の人間を大勢巻き込んでしまうからだ!」
「でも……でもっ」
あたしと離れることを、ちょっとも躊躇してくれないとはどういうこと!?
四郎くんの袖をつかむと、空が急に暗くなった。
「来るぞ」
その言葉の通り、目の前に巨大な蛇がどすんと落ちてきた。
体が飛び上がってしまうくらいの衝撃が、城中に走る。
『どういうつもりだ……天草よ……』
8つの頭をそれぞれ動かしながら、オロチが問う。
「どうもこうも、ここで決着をつけようというだけのこと」
四郎くんが光の杖をかまえる。
魔法陣の光に捕われ、時空を引っ張られてきたオロチは、少し弱っているように見えた。
「加勢する」
「早く決着をつけるんだろ?」
スサノオ兄弟もそれぞれの武器をかまえ、オロチをにらむ。
あたしはいつの間にか、みんなの後ろに追いやられてしまった。