神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「あいつは急所というものがない。
人間と違って心臓がないし、頭は8つもあるし……
一気にこっぱみじんにするしかない」
風牙くんの説明に、四郎くんがうなずく。
そんなぁ……一気にこっぱみじんって
。
そんなことできるの?
「あ……」
そうだ。
お酒はないけれど、オロチの動きさえ止められたら……。
あたしが一気に、消しちゃえばいいんだ!
「みんな、オロチの動きを止めることってできる?」
「首を攻撃すれば、それなりの衝撃を受けるだろうが……」
「じゃあ、そうして動きを止めて。
あたしが、浄化する!」
「お前、何を……」
言い合いをしている間に、オロチの首が黒い毒霧を吐き出す。
『何をゴチャゴチャ言っておる!』
霧から逃げながら、あたしの手を引いた四郎くんが厳しい顔で言う。
「美心、あれはお前には過ぎた荷だ。
大人しく、どこかに隠れておれ」
「隠れるところなんかないよ!」
お城の屋根も壁も吹っ飛んでいるし、階段で下に下がれば、煙に巻かれてしまう。
「たしかに……」
「四郎くんが、あたしを巻き込みたくないと思ってくれてるのはわかるけど、それが一番確実だよ」
「…………」
「大丈夫。
四郎くんがフォローしてくれたら、きっと……」
「浮浪?」
「違う。援護って意味!」
学校でみんなを浄化したときみたいに。
力を合わせれば、きっと……。