神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
雷牙が丸い目を見開いた途端、彼の後ろからなだれのように女の子たちが寄ってきた。
「ぎゃっ!」
女子の群れに弾き飛ばされた雷牙。
「雷牙!」
「な、なんなんだよ」
雷牙を無視し、女子たちはあたしを囲む。
怖くて怖くて、あたしはたちまち震えてしまった。
「神崎さん、あの人の知り合いなのっ?」
いったいあんたはあの人のなんなの?
そう言っているようにしか聞こえなかった。
まるであたしを責めているような、そんな目で。
「う、うん、ちょっとだけ知り合い……ただそれだけ!」
天草さんには悪いけど、どこかに逃げよう!
そう思った直後……。
「見つけた!」
がばりと、後ろから誰かに抱きつかれた。
鎖骨の上で組まれた腕は、明らかに男子のもので……。
「ぎょえええええ!」
悲鳴を上げると、雷牙があたしの背後を指さした。
「お前……っ、天草四郎!」
天草さん?
ふっとゆるめられた腕から抜け出し、背後を振り返る。
するとそこには、校庭から移動してきたとは思えないほど早く着いた、天草さんの姿が……。