神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
・集まってきちゃった
学食に天草さんを案内したあたしは、もう消えてなくなってしまいたかった。
ただでさえ他人の視線を集める天草さんなのに、
食券の券売機を見てはしゃぐわ、
お札の透かしを何度も透かして見て遊ぶわ、
何を食べるかなかなか決まらないわで大変だった。
周りは天草さんの見た目にだまされて、「留学生?」なんて言ってるけど、この人一応日本に住んでたはずだから……江戸時代だけど。
結局無難に天ぷらうどんとおにぎりをゲットした天草さんは、あたしの前に座ってにこにこしていた。
「お前は食べないのか?」
「ん……ダイエット中なので」
「大越冬?」
「違う。えーと、減量?
体重を、減らしたいのです」
素直に言うと、天草さんは信じられないというような顔で、あたしをにらんだ。
「なぜ、体重を減らさねばならんのだ?」
「なぜって……太ってるとバカにされるし、あたしだって細くなって、可愛くなりたいんです」
そういうと、天草さんはこぶしを握りしめ、机をたたいた。