神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「いえ、いいんです。
そう言えばその制服はどうしたんですか?」
「ああ、これな。
お前の兄のものを勝手に拝借して、足りない部分は力で作り変えた」
「ええっ、すごい」
お兄ちゃんはたしかにこの学校の卒業生だけど、天草さんみたいに長身じゃなかった。
それにしても、力で作り変えたなんて……魔法みたい。
「昨日のいけすかない兄弟も同じ服を着ていたから、これなら間違いないと思ってな。
髪は幻覚で、短く見せている」
幻覚って……。
この人やっぱり、あたしとは比べ物にならない強さの力を持っているんだ。
それにしても、現代の制服がばっちりはまっちゃってる。
かっこいい、かも……。
ぼーっと見ていると、うどんを飲み込んだ天草さんのブルーの瞳と、目があった。
「……お前、今見とれていただろ?」
「……っ!」
いたずらっこみたいに、でも確実に意地悪く微笑む。
「べ、べつに」
あたしは目をそらして、おにぎりの残りを平らげることに集中した。