神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
ああ、とにもかくにも、今のは……。
「おいっ、美心!?」
「しっかりしろ!」
スサノオ兄弟の声が聞こえる。
ごめん……ムリ。
あまりのショックで、あたしは立ち上がれなくなった。
電源が切れた機械みたいに、急激に気が遠くなっていく。
だって、今の、嫌がらせが……。
あたしの、ファーストキスだなんて……。
「はっはっはっは!
我に口答えなどするからだ、バカ者!」
ひっとつも心配なんかしてくれない、四郎くんのひたすら非情な低音が、耳に響く。
あたしはそのまま、初キスを奪われたショックで気を失ってしまったのだった。