神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
†三幕
・からかわないでください
あれから1週間。
四郎くんは元気に、あたしの家に居座っている。
いつの間にか両親に催眠術をかけて、親戚ってことになってるみたい。
「やはり母上の手料理は最高においしいですね」
「もう四郎くんったら上手なんだから!
たくさんおかわりしてね♪」
「…………」
うちの親戚に、こんなハーフの親戚いないのに……。
完璧に猫を被った四郎くんに、お母さんはメロメロになっている。
「あっ、こんな時間。
じゃあお弁当置いていくから!
行ってきま~す!」
看護師のお母さんは、忙しそうに家を出ていった。
お父さんも、出張でここ何日かいない。
「催眠術かけられるなら、猫かぶったりしなくてもいいんじゃ……」
「何を言う。あれが本当の我だ」
「嘘ばっかり……」
強力な催眠術をかけるのが、面倒臭いだけでしょうに。
四郎くんは勝手にお兄ちゃんの使っていたスクールバッグにお弁当を入れ、すたすたと玄関に向かう。