神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「何をしておる。早く行くぞ」
突然振り返り、あたしを手招きする四郎くん。
実際にばっさり切り落としてしまった黒髪が、なんともさわやか。
そう、あたしにあんなことをしておいて……彼はそれまでと全く変わらず、マイペースだった。
恥ずかしくて目も見られなかったあたしの日常に、ずかずか土足で入ってきては、わがままを言う。
そんな四郎くんと接するうち、なんだか恥ずかしがっていた自分がバカみたいに思えてきた。
「はいはい……行けばいいんでしょ」
四郎くんはたった1週間で、現代の生活に順応していた。
信号の見方も、水洗トイレの流し方も、食券の買い方も覚えた。
だけどどこか危なっかしいので、外ではできるだけついて回ることに。
決して、あたしの希望じゃないから!仕方なくなんだから!
「あっ……おはよう、二人とも!」
家を出ると、待ち構えていたようなスサノオ兄弟とはちあわせした。