神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「おはよう、美心」
「今日も無事かっ?
何もされてねえかっ?」
冷静な風牙くんとは対照的に、雷牙はがっとあたしの肩をつかんで尋問する。
「なにもないよ……」
毎日毎日同じ質問の繰り返しで、うんざりする。
まあ、目の前であんなシーンを見せつけられたのだから、心配するのも無理ないかもしれないけど……。
それにしても、ちょっと過保護かなと思う。
「何もないとは言わせない。
昨夜は燃えたよなあ、美心」
ふざけてあたしの肩を抱く四郎くん。
「な、なんだとう!?」
一体何を想像したのか、雷牙が顔を真っ赤にして、裏声で叫ぶ。
「もうっ、やめてよ四郎くん!
一緒に格闘ゲームやっただけじゃない。
紛らわしい言い方しないで!」
お兄ちゃんの部屋にあった、お侍さん同士が斬り合うゲームを発見した四郎くん。
その説明書の中に「天草四郎」ってキャラがいて、モデルにされた本人はちょっと興奮していた。