神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
教室につくと、雷牙と四郎くんの周りにはあっという間に友人たちが集まった。
四郎くんは17歳とか言ってたけど、しょせんはニセ学生、なぜかあたしと同じクラスに居座っている。
もちろん、みんなに暗示をかけて。
四郎くんは、遅れて入学してきた帰国子女ということになっている。
彼がみんなにかけた暗示は、彼がそこにいても誰も不審に思わないように、ということだけ。
あとは好かれようが、嫌われようが、どうでもいい。
そんなふうに言っていたのに、四郎くんはすでに人気者になっていた。
「四郎くん、英語わからないの。教えて~」
派手グループの女子が、ゆるく巻いた毛先を指先でくるくるしながら近づく。
そんな彼女に四郎くんは、優雅な微笑みで返した。
「我がわかるのはポルトガル語だけだ。
英語はわからん」
「ええ~、またまた~」
ポルトガル語って。
たぶん本当のことなんだろうけど、ボケにしか聞こえない。