僕はきっと君を好きになる。
「ごめん、忘れ物取ってくるから
先に音楽室行っててよ。」
クラスメイトにそう言って
僕は次の授業がある
音楽室には向かわず
また教室へと戻った。
ーーー急がないと遅れちゃうな
急いで教室に着くと
窓側の列にある
僕の机へと向かう。
もう誰もいないと思っていた教室には
僕の真後ろの席にだけ一人残っていた。
机に突っ伏して寝ている彼は
いつだって特定の誰かとつるむでもなく
休み時間にはいつもこうして机に突っ伏して
眠っているか
難しげな本を読んでは
時々、窓の外をボーッと眺めていた。
だけど特に寂しそうとかって
いうのでもなく
寧ろ、一人を好んでいるように見えた。
楽しんでいるように見えた。
そんな彼は当然、
クラスではちょっと浮いた存在だったけど
僕は嫌いではなかった。
と、言うより
彼に興味を持っていた。