Valentine Triangle

「僕、最近、悩んでいるんです」


「はあ」


三栗の話は、仕事のことだった。

話を聞いていると、本社もいろいろと大変な状況にあるらしかった。

入って二年目の若者から、情熱や夢を奪っていく現状を何とかしたいと思っても、どうすることもできず、香神は悲しい気持ちで三栗の話を聞いていた。

香神自身もまた、情熱を失っている一人だった。
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