笑顔の君に逢えたら


思ったよりも早く友だちを見つけることができた。


「心配したよー」


「ごめんね」


友だちに囲まれて安心したように笑ってた。


見つかったことだし戻るか。


俺は何も言わずにその場を立ち去ろうとした。


「あ、あの!」


呼び止められたと思い振り返ると
さっきの女の子と目が合った。


「ありがとうございました」


「見つかってよかったな」


「はい」


笑顔でそう答えた彼女に
不覚にもドキッとした。


笑うと目が細くなって幼く見える。


素直にかわいいと思った。


「もうはぐれるなよ」


「はい。

あ、もうひとりの人にも
ありがとうございますって
伝えてくれますか?

ちゃんとお礼する前に行かれてしまったので」


「分かった、伝えとくよ」


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