笑顔の君に逢えたら
「新藤香歩」
「「誰?」 」
二人の声がハモった。
「祭りのときに男に絡まれてた奴」
「あー、浩介の居場所聞いた子だ!」
直哉が納得と言ったようにうなずいた。
「俺って有名だったんだー」
涼が得意気に言った。
「あの子、新藤香歩って言うんだ」
涼の言葉をシカトする直哉。
「うん、そう」
「おい、シカトすんなよ!」
バンッと机を叩いて怒ったフリをする涼。
「うるさい」
今まで黙ってた俊が一言呟いた。
「ごめん」
俊に弱い涼は謝るしかなくて、
その二人のやりとりを見てた直哉と俺は
吹き出してしまった。