笑顔の君に逢えたら


そう言って強引に俺の腕を引っ張る。


「いってらっしゃーい」


ひらひらと手を振る直哉。


こいつ、俺におしつけやがった。


俊は俊で眠そうにあくびをしていた。


俺は諦めてたこ焼きを買いに行くことにした。


「たこ焼き、たこ焼き、たこ焼きはどこかなー?」


ハイテンションな涼は
同じことを言いながらたこ焼きを探してる。


「あれ?」


前を歩いてた涼がいきなり止まるから
涼の視線を追ってみると
ひとりの女の子が数人の男に絡まれてた。


「あれがナンパってやつ?」


どこか楽しそうに聞いてくる涼。


女の子は嫌がってるけど
男は引き下がらない様子。


「さてとっと」


急に何かを言い出すかと思えば
その団体まで歩き出した涼。


「え、おい待てよ!」

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