花言葉を君に。~あふたーでぃず~
「・・・あたしは今、美智さんと尚紀さんっていう両親がいます。」
「うん。知っているよ。いつかちゃんとご挨拶に伺うつもりだったんだけど・・・もう無理かもしれないね。」
「父さん。」
??
「実は、父さんは病気で。あと3ヶ月・・・保つかわかんない。」
「え━━━━」
今、出逢ったばかりなのに?またすぐにいなくなってしまうの?
せっかく逢うことができたのに・・・?
「死ぬ前に、君に会いたかったんだ。こっちに来てくれるかい?」
言われるがままに近づいて、椅子に腰掛ける。
隣にはふぅも座る。
柊さんはあたしに手をのばすと、頭を優しく撫でた。
「紫苑、って呼んでもいいかい?」
「うん・・・。」
温かい手。優しい声。柊さんの頬を涙が伝う。
「紫苑・・・」
「うん。」
「紫苑。」
「うん。」
何度も何度も、確認するかのようにあたしを呼ぶ。
そしてふぅの方を見て、また涙を流した。
「目元がそっくりだね。名前は?」
「ほら、ふぅ。」
ふぅは少し緊張した様子で、たどたどしく名前を名乗った。
「いずみ ふうか。」
「楓香ちゃん・・・か。今お父さんになったばかりなのに、おじいちゃんになるなんて。」
柊さんは笑った。そしてまた咳き込んだ。
そして楓にぃにが背中をさする。
目頭が熱くなった。
柊さん、死なないで・・・。