花言葉を君に。~あふたーでぃず~
放心状態のままで、家に帰った。
洗濯物畳まなきゃ。掃除機もかけないと。あ、晩ご飯何しよう。
いくつもやらなくちゃいけないことが頭を駆け巡る。
でも、それはすーっと通り過ぎていく。
何もしたくない。
時計を見つめてた。
一秒、また一秒。こうやって時間が過ぎていく。
一秒ごとにふぅは成長していくけど、柊さんは・・・
柊さんの時間は減っていく。それも刻一刻と迫ってる。
あたしの本当のお父さん。
信じきれない自分はどこかへ消えた。
柊さんは間違いなくあたしのお父さんだ。
やっと逢えた・・・なのに、なのに、神様は意地悪だ。
「ママ?」
ふぅが心配そうに見つめてきた。
鼻がパパそっくり。
あたしと和泉くんの大切な娘。
あたしはママとパパの大切な娘だった。
昔はわからなかった。子どもを想う気持ち。
でも、今ならはっきりとわかる。ふぅがいるから。
大切な大切な子どもを想う気持ち。
「ふぅ、明日またおじいちゃんのとこ、行こうか。」
「うん!」
できることは少ない。でも、柊さんのために何かしてあげたいと心から思えた。