花言葉を君に。~あふたーでぃず~
「柊さん。」
「おじいちゃん!」
次の日朝早く、柊さんの病室を訪れた。
「おはよう・・・。」
柊さんは突然の訪問に驚いたようだった。
「おじいちゃんあのね!今日はママが特別なお話してくれるんだって!おじいちゃんも一緒に聞こ!」
「特別なお話?」
「うん!ふぅのお話!」
まだ何もわからないふぅに話すのに加え、すべて経験してきた柊さんに話すのはちょっと気が引けるけど、まぁいいか。
「じゃあ、静かに聞いててね。」
深呼吸をして、口を開いた。
「ママとパパは、高校生のときに出会いました。今から、ちょうど10年くらい前に。そのときママには好きな男の子がいました。」
「パパじゃない人?」
「そう。ママが初めて恋した人。すごく優しくてステキな人でね。でもパパは意地悪でちょっと悪い子だったのね。」
「パパ、悪い子。」
「そう。で、ママはパパに告白されたけど、断っちゃったの。好きな人がいたから。でも、ママはその好きな人に告白しようとしなかったの。」
「なんで?」
「・・・怖かったの。好きだよ、って言って。好きじゃないって言われるのが怖くて逃げてた。・・・そしたらね、パパが背中を押してくれた。ちゃんと伝えなさいって。」
今でも鮮明に思い出せる。
あのときの和泉くんの言葉を。