花言葉を君に。~あふたーでぃず~
伝えなきゃ何も変わらない。
そうやってあたしを笑顔で押し出してくれた。
和泉くんは・・・いや、和泉先輩はいつも笑顔で・・・
「ママね、その人に告白した。・・・そしたらその人ね、ビックリすること言ったの。ママのお兄ちゃんだって。」
「楓にぃに?」
「そうだよ。ママね、楓にぃにのことが好きだったんだ。お兄ちゃんだって気づかないで、好きになった。・・・そのあとも、なかなか忘れられなかった。お兄ちゃんなのに、好きだった。」
「それって、ダメなの?」
純粋なふぅの言葉が、胸に突き刺さる。
ダメなの、か。そうだね。人を好きになった、それだけなのにね。
「・・・ダメなの。兄妹だから。」
「・・・ママ、かわいそう・・・。」
「でも、楓にぃには違った。ずっと好きだった遥さんと結婚した。わかる?恵梨香ちゃんのママ。・・・そんなときにね、パパがママのこと好きだって、もう一回言ってくれた。そのときにすごく嬉しくて、あぁ、この人についていこうって決めたんだよ。」
涙をこらえた。
泣かない。泣かないって決めたんだ。強くなるって。
「それで、ママはパパと結婚したの。それからふぅが生まれた。」
・・・ここからが話したかったこと。
この先、これを芯にして生きていってほしいから。
この先、何があっても忘れないで欲しいから。
「ふぅの名前をね・・・」
深呼吸して、ふぅを見つめた。