花言葉を君に。~あふたーでぃず~


「・・・俺らはさ、ずっと離れてたけど兄妹だよな。」


はにかんだ楓にぃにの笑顔が脳裏に焼き付いた。


「うん。もちろん!」


「そうだよな。紫苑、ありがと。」


「ありがとう、楓にぃに。」


これでいい・・・。


あたしの笑顔は、ちゃんと笑えてるかな。


もう、あの頃のあたしじゃない。


そう信じ続けて、願い続けてここまできた。


何も間違ってなんかいない。


大丈夫、大丈夫って。


過去になにがあったって、それでいい。


今が最高って、幸せって言えたら、それでいい。


だから、今だけは・・・


「じゃあ、ふぅも待ってるし、戻ろうか。」


「ごめん、ちょっとここにいてもいい?ほら、この楓の木すごく立派だし。」


「あぁ、先に戻ってるよ。・・・?」


ひとりになって、涙が溢れた。


今まで楓にぃにに恋してきた分の涙が溢れた。


12年間、ずっと好きだったんだ。


ずっとその想いに気づけないまま、成長できないままここまできてしまった。


あたしはどこかで願っていたのかもしれない。


この初恋が叶うって。


< 24 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop