花言葉を君に。~あふたーでぃず~
「・・・俺らはさ、ずっと離れてたけど兄妹だよな。」
はにかんだ楓にぃにの笑顔が脳裏に焼き付いた。
「うん。もちろん!」
「そうだよな。紫苑、ありがと。」
「ありがとう、楓にぃに。」
これでいい・・・。
あたしの笑顔は、ちゃんと笑えてるかな。
もう、あの頃のあたしじゃない。
そう信じ続けて、願い続けてここまできた。
何も間違ってなんかいない。
大丈夫、大丈夫って。
過去になにがあったって、それでいい。
今が最高って、幸せって言えたら、それでいい。
だから、今だけは・・・
「じゃあ、ふぅも待ってるし、戻ろうか。」
「ごめん、ちょっとここにいてもいい?ほら、この楓の木すごく立派だし。」
「あぁ、先に戻ってるよ。・・・?」
ひとりになって、涙が溢れた。
今まで楓にぃにに恋してきた分の涙が溢れた。
12年間、ずっと好きだったんだ。
ずっとその想いに気づけないまま、成長できないままここまできてしまった。
あたしはどこかで願っていたのかもしれない。
この初恋が叶うって。