花言葉を君に。~あふたーでぃず~
しばらく泣いたあと、ノックが聞こえた。
「紫苑ちゃん、和泉くん。おめでとう。」
そう言いながら入ってきたのはほかでもない、遥さんだった。
「遥さん。来てくれてありがとうございます。」
「いえいえ。綺麗だったわよ、紫苑ちゃん。・・・やっぱり。帰ってこないから絶対ココにいると思ったのよ。パパは?パパは?ってうるさいんだから。」
「ごめん。紫苑にブーケ渡してた。」
楽しそうに会話をするのは、どこからどうみても夫婦な楓にぃにと遥さんで。
それを見て少しだけ胸がチクッとした。
誰かがギュッとあたしの手を掴んだ。
見ると、恵梨香ちゃんが微笑んでた。
「紫苑ちゃん、結婚おめでと!」
「んーありがとっ!!恵梨香ちゃんも来てくれてありがとね。」
「紫苑ちゃん綺麗だった!恵梨香もね、大きくなったらココで結婚するの!」
「そっか・・・」
あんなに小さかった恵梨香ちゃんだって、もう小学生だ。
すぐに彼氏とかできて、結婚して、子どもができて・・・
「しーたんっ!!」
そんな嬉しそうな恵梨香ちゃんを避け、あたしに抱きついてきたのは菫ちゃんだった。
「すぅちゃん!あーもう可愛すぎるっ!」
あたしはすぅちゃんを抱き上げて、ギュッとした。
こちらはまだまだ言葉足らずな3歳児だ。
「紫苑ちゃん、恵梨香もーっ!!」
甘えてくる恵梨香ちゃんも抱っこして、早くもママになった気分だった。