甘いシュガー
「ねぇ、ねぇ!」
始業式が終わって教室に戻ると
興奮気味のめぐちゃんが私たちに話しかけてきた。
「さっき紹介されてた仲村先生って
高鍋先生の彼女だよ!」
時が止まったように感じた。
なにも言えない私のかわりにみなみがめぐちゃんに話を聞く。
「彼女って…。
なんで恵がそんなこと知ってるのよ?」
「だって私見ちゃったんだもん!
仲村先生、高鍋先生の家行ってたし」
え…?
どういうことなの?
「恵、あんた高鍋先生の家知ってるの!?」
みなみが聞く。
すると、めぐちゃんは自慢したように教えてくれた。
めぐちゃんは先生に振られたあとに
諦められなくて先生のあとを着いていったんだって。
それで、先生の家分かったらしいの。
めぐちゃんは冬休みの間何度も先生の家を見に行ってた。
何度目かに先生と女の人が
先生の家に入る所を見たらしい。
「見間違えじゃないの?」
みなみがゆっくりと聞く。
「絶対ありえない!
だって私ハッキリと顔見たし!
さっき紹介されててビックリしたよ」
そんな…。
先生、私は先生の彼女…だよね?
「そうなんだ。
あ、私トイレ行きたかったんだ!
愛一緒に着いてきて」
みなみは自然と私をトイレに連れて行く。