甘いシュガー

ガラガラ。

先生が教室に入ってくる。
先生は私たちがいることに
目を丸くして驚いてた。
そりゃそうだよね。
ずっとサボってたもん…。

「えっ…と。
教科書開いて」

先生…。
仲村先生と上手くいってる?
私が先生と仲村先生キスしたことを
知ってること知らないよね。
ダメだ。
何度も嫌いになろうと思った。
なのに…。
なれなかった。
未練タラタラな私を許して…。

「じゃあ…。
この問題やって出来た人から帰っていいよ」

あ…。
私が苦手なところ。
あの日の補習と同じ。
あの日、私は先生に近付けたように感じて
嬉しかったんだよ…。

そんな事を考えていると
みんなは問題を解き終わったようでぞくぞくと帰りの支度をしている。

「愛…。
私帰るけど大丈夫?」
「うん、
ごめんね」

そう言うとみなみは
そんなこと言わないの!
と、言って帰って行った。
残ったのは私と先生だけ。

しーん。
と沈黙が教室を包み込む。

「先生…の、
イジワル」

私が口を開くと先生は安心したように
安堵のような溜め息をつく。

「ごめんな…」
「………」

私たちはそれから一言も言葉を発しなかった。

< 27 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop