イジワルなキミの隣で
ダメです、先輩
どんな日々を過ごしたのか、それからはあまり記憶がない。
ただ毎日抜け殻のようなひどい状態で。
玲奈や央太がそんな私を心配してくれていたことだけは覚えてる。
毎日毎日
私の頭と心は光流先輩でいっぱいで。
もう
どうすることも出来なかった。
「おい、バカ萌絵」
フロアにぼんやり突っ立っていると、前から来た佐伯先輩に頭を小突かれた。
「……なにか?」
「んな顔してボーッとしてんじゃねえよ」
「生まれつきなんで顔を変えることは出来ません」
「はぁ?お前は相変わらず減らず口を……可愛くねえ奴」
「先輩に可愛いと思われたくないんで、むしろ嬉しいです」
佐伯先輩の扱いにももう慣れた。
意地悪だけど、話してると少しは気が紛れる。