イジワルなキミの隣で
ダメです、先輩


どんな日々を過ごしたのか、それからはあまり記憶がない。



ただ毎日抜け殻のようなひどい状態で。



玲奈や央太がそんな私を心配してくれていたことだけは覚えてる。



毎日毎日


私の頭と心は光流先輩でいっぱいで。


もう


どうすることも出来なかった。



「おい、バカ萌絵」



フロアにぼんやり突っ立っていると、前から来た佐伯先輩に頭を小突かれた。



「……なにか?」



「んな顔してボーッとしてんじゃねえよ」



「生まれつきなんで顔を変えることは出来ません」



「はぁ?お前は相変わらず減らず口を……可愛くねえ奴」



「先輩に可愛いと思われたくないんで、むしろ嬉しいです」



佐伯先輩の扱いにももう慣れた。


意地悪だけど、話してると少しは気が紛れる。


< 132 / 420 >

この作品をシェア

pagetop