イジワルなキミの隣で
「兄貴に聞いたんだけどさ。佐伯先輩と光流先輩と智沙(ちさ)先輩って幼なじみだろ?」
央太が椅子をガガガッと引いて近寄って来る。
小さく頷きながらその光景を見ていた。
「誰もが羨むぐらい仲が良いらしいぞ。特に光流先輩は智沙先輩にベタ惚れだって」
「…………」
知ってるよ。
そんなこと。
見てればわかるもん。
「央太ー、余計なこと言い過ぎー」
玲奈が央太に向かって怒る。
智沙先輩は光流先輩の彼女で、学校中の女子の憧れの的。
大和撫子風の美人さんで、性格良し、スポーツ万能、成績優秀。
スラリと細くて背が高くてモデルさんみたいで。
ふわふわしてて女らしくて。
学校中で知らない人はいない。