イジワルなキミの隣で


わけがわからなくてポカンとする。


……忘れさせるって



「どうやって?」



先輩の顔を見上げる。



その顔は何かを企んでいそうな意地悪な顔で嫌な予感しかしない。



「決まってんだろ?体でだよ」



「ええっ⁉︎か、体って……‼︎ありえないんですけどっ‼︎」



身の危険を感じて、思わず先輩からささっと離れた。



なにを言い出すのかと思えば。


軽すぎでしょ。


からかうようにニヤニヤ笑ってるし。



「それはまぁ半分冗談だとして……俺にハマれば、あいつのことなんてすぐに忘れられるのに」



なんなんだろう。


この自信たっぷりな発言は。


こんな人だったっけ?



「ありえないでしょ、佐伯先輩にハマるなんて」



大体、そんな方法で忘れられるなんて思えない。


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