イジワルなキミの隣で


「俺、恋とかよくわかんねえ。適当に遊んで、適当に相手してる方が楽。マジになられるとウザいし」



「…………」



窓辺に立ったまま、先輩はくしゃりと髪を掻き上げる。



カッコ良くて一瞬だけドキッとしたけど、この人の仕草に騙されちゃいけない。



「それに女なんて簡単に裏切るに決まってる」



より一層低くなったその声。


冷たい横顔。


世の中の女なんてみんな信用出来ないっていう意思を持った力強い瞳。



もしかして先輩は


女の人が嫌いなのだろうか。



「俺に言い寄って来る女は、振ると次の日には新しい男連れてたり。付き合ってる奴がいんのに俺のことを好きだなんて言いやがったり。体だけでもいいからって、最終的にはそこかよみたいな」



ははっと乾いた笑いが聞こえた。


だけど目は全然笑っていない。


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