イジワルなキミの隣で
湧き上がる嫉妬心。
心が黒いモヤモヤで埋め尽くされていく。
智沙先輩は
私が光流先輩を好きだって知ったら
どうするんだろう。
きっともう
笑って話しかけてはくれないよね。
それもいいかもしれない。
ううん。
むしろその方がありがたい。
智沙先輩に優しくされる度に
嫌な気分になるんだから。
「あ、航希ー‼︎」
私の前に立っていた智沙先輩は、背後に向かって満面の笑みを浮かべながら大きく手を振った。