イジワルなキミの隣で


智沙先輩は少なからずまだ航希先輩を特別扱いしている。



その真意はよくわからないけど


きっと言葉では言い表せない何かがあるんだ。



端から見た私が感じるんだから、光流先輩もきっとそれに気付いてる。



先輩はどんな気持ちで……。



「別にあいつは誰に対してもあんなんだろ」



「いーや、明らかにお前に対してだけ違うね。見てたら丸わかりだし」



「そうか?そんなことねえだろ」



「絶対そうだね」



佐伯先輩は気にしてないとでも言うように動じることなく平然としている。



それをウサギ先輩は神妙な面持ちで見ていた。



私はそんな2人の後ろをトボトボ歩いて何気なく会話を聞いていた。


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