イジワルなキミの隣で


「うわっ、んでいんだよ⁉︎」



カフェの裏口が開いて、そこから佐伯先輩が出て来た。



先輩は私を見て目を見開いている。



「たまたま通りかかったので」



昼間怒ってたし……。


放課後だって先輩はなんとなく不機嫌だった。


だから気になってカラオケの帰りに寄ってみた。



辺りは真っ暗でシーンとしている。



「寄ってみたってお前、1人で歩いて来たのかよ?」



先輩はまだご機嫌ナナメみたい。


険しくなった顔を見てそう感じた。



「いえ、さっきまでみんな一緒だったんですけど……お腹空いたとかでファミレスに行っちゃいました」



ここからそんなに遠くないところにあるファミレスに。


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