イジワルなキミの隣で
気になる人
10月初旬。
すっかり秋になった。
肌寒くなって、半袖で出歩くにはもう寒い。
私の生活はというと
あまり変わってない。
だけど一つだけ明らかに変わったことがある。
「服部ー、航希先輩が呼んでる」
クラスの男子の声に教室内が一気にざわつく。
そして一瞬で注目の的に。
佐伯先輩はそんな視線をものともせず、キャーキャー言う女子に笑顔で手を振っている。
相変わらず調子良いなー。
とか思ってみたり。
「佐伯先輩また来てるね。萌絵、頑張って」
「な、なにを頑張るの?変なこと言わないでよ、もう」
「へへっ」
イタズラに笑う玲奈に唇を尖らせる。