イジワルなキミの隣で
「別に拗ねてねえし。なんでお前ごときに拗ねなきゃなんねえんだよ」
「ちょ、やめて下さいよ」
髪の毛を掻き回され、今度は私が佐伯先輩を睨む番。
「はは、ぐっちゃぐちゃだな」
「先輩がしたんでしょ‼︎」
お腹を抱えて笑う先輩に思わずそう叫んだ。
まったくもう。
油断も隙もないんだから。
大体、私をからかって何が楽しいんだろう。
なんか先輩のいいおもちゃにされてるような気がしてならない。
「もういいです。昼休み終わるんで、じゃあ」
髪を直し終えた後、先輩に背を向け歩き出す。
「待てよ」
ガシッ