イジワルなキミの隣で


「別に拗ねてねえし。なんでお前ごときに拗ねなきゃなんねえんだよ」



「ちょ、やめて下さいよ」



髪の毛を掻き回され、今度は私が佐伯先輩を睨む番。



「はは、ぐっちゃぐちゃだな」



「先輩がしたんでしょ‼︎」



お腹を抱えて笑う先輩に思わずそう叫んだ。



まったくもう。


油断も隙もないんだから。


大体、私をからかって何が楽しいんだろう。



なんか先輩のいいおもちゃにされてるような気がしてならない。



「もういいです。昼休み終わるんで、じゃあ」



髪を直し終えた後、先輩に背を向け歩き出す。



「待てよ」



ガシッ


< 235 / 420 >

この作品をシェア

pagetop