イジワルなキミの隣で


「はいカボチャ」



「おい、皿からはみ出てるだろうが」



「いいじゃないですか、野菜は体にいいんですよ」



「智沙と同じようなことするんじゃねえよ」



なんの意味もなく言った言葉に、萌絵の手がピタッと止まった。



なんだよ。


智沙の名前を出した途端。


あからさまだな、こいつ。



「じゃあ食べなくていいです」



さっき乗せたカボチャを俺の皿から奪い、萌絵はそれを自分の口に運んだ。



一体なんだっていうんだよ。


意味わかんねえ。


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