イジワルなキミの隣で


「仕方ねえだろ。マジでバカだし」



こんなことが言いたいわけじゃねえのに、口をついて出るのは意地悪な言葉ばかり。



「なっ、先輩って本当に失礼ですね」



萌絵は恨めしげに俺を見て小さく舌を出した。



「私、先輩のおもちゃじゃないんですけど」



なんてグチグチ言い出す始末。



「ひどいよねー、航希の奴。素直になればいいのに」



「いいんです。やけ食いしますから」



ヤケになって肉に箸を伸ばす萌絵。



「うーん、やっぱり美味しい」



だけどすぐに笑顔になって機嫌は元通り。



なんて


単純な奴なんだ……。


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