イジワルなキミの隣で


「なんで萌絵ちゃんまで航希と同じこと言うかな」



フッと笑いながら、でもどこか寂しそうな智沙先輩の顔。


「なんかもう光流のことがわかんなくなっちゃって」



智沙先輩はポツポツ話し出した。


とても寂しそうな顔をしながら。



「光流って自分の気持ち言ってくれないし。わかんなくなってた時に、光流が萌絵ちゃんと2人で会ってたって聞いて余計にわかんなくなって……」



「距離置こうって私から言ったの」



そうだったんだ。


知らなかった。



「光流は萌絵ちゃんに心変わりしたんじゃないの?だから……っ2人で会ってたんでしょ?」



先輩の大きな瞳から涙が次々に零れる。



「違いますよ。その理由は言えないけど、気になるんならちゃんと確かめれば良かったじゃないですか」



勝手にそうだと決め付ける前に


光流先輩に聞けば良かったじゃない。


だってそれは


彼女の特権だから。


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