イジワルなキミの隣で


街灯に照らされた近藤君の額には、うっすら汗が浮かんでいた。


よく見るとジャージだし、スポーツバッグを肩からぶら下げている。



「好きなんだね、バスケ。寒いのによくやるよ」



「一応バスケ部のキャプテンですから」



「あー、そうだったね」



「うわ、ちーちゃん適当だな」



なんて近藤君が笑うから


あたしにも自然と笑みがこぼれる。



まるであの日の告白がなかったかのよう。



近藤君はあれ以来あたしに何も言って来ない。



きっとそれが近藤君なりの優しさ。


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