イジワルなキミの隣で
「智沙……」
突然名前を呼ばれてドキッとする。
振り向かなくても雰囲気でわかる声の主にドキドキが加速して行く。
恐る恐る振り返ると制服姿の光流がいた。
目が合ってなんだか気まずい。
一方的にメールを送ったあの日以来、光流とは話していなかった。
「…………」
まさか光流の方から話しかけてくれるなんて。
嬉しいけど、何を言ったらいいのかわからない。
「近藤に送ってもらったんだ?」
一歩ずつ近付いて来る光流に、ますますドキドキが加速する。
その雰囲気が
声が
空間が
居心地よくて好き。
あたし
いつの間にか光流のことをこんなにも好きになってた。