イジワルなキミの隣で


「じゃあな」



「待って!」



家に入ろうとする光流に大きな声で叫ぶ。



そしてその背中にギュッと抱きついた。



こんな大胆なこと


自分からするキャラじゃなかったのに。



「好きなの、光流のことが。突き放してごめんなさい。いっぱい傷付けてごめんね。光流が他の誰を好きでも……あたしは光流が好き」



声が詰まる。


言いたいことを一気に言った。


返事が怖くて


光流の反応を見るのが怖くて


思わずギュッと目を閉じる。


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