イジワルなキミの隣で
ねぇ、先輩。
佐伯先輩と話さなくなってから1週間。
時間の流れってこんなに遅かったっけ?って思うほど時が経つのが遅い。
季節は秋からすっかり様変わりした。
「うー、今日も寒いね。おはよ、萌絵」
「うん、おはよう」
「今週に入ってからめちゃくちゃ寒くなったよね」
玲奈が無邪気に笑いながら私の席までやって来る。
鼻の頭を真っ赤にさせている玲奈を見て自然と笑みがこぼれた。
「あ、そういえば今日英語の小テストあるね。予習した?」
教科書を机にしまいながら玲奈が問いかける。
「してない……」
というより忘れてた。
「だろうと思ってこれ持って来たの」
差し出されたのはルーズリーフの束。
「いいの?いつもありがとう」
玲奈には本当にいつも感謝しかない。