イジワルなキミの隣で
放課後。
央太や玲奈と教室を出た。
どうやら玄関で待ち合わせをしているようだ。
真っ直ぐ待ち合わせ場所へ向かう。
そんな時でもキョロキョロして
佐伯先輩の姿を探している私。
突き放されたのに
頭の中にあるのは先輩のことばかり。
「よーっす、央太!」
遠くの方から大きく手を振る派手な茶髪の男子を見てギョッとする。
「ちょ、あれって加野(かの)だよね?」
玲奈も同じくギョッとして前を見据えている。
「あれ?あいつのこと知ってんの?」
「知ってるもなにも……かなり有名じゃん!」
加野君のことは情報に疎い私でも知ってる。