イジワルなキミの隣で
まぁでも央太と仲が良いってことは悪い人ではないはず。
玲奈の提案で私がバイトしてるカフェにやって来た。
窓際の見晴らしのいい4人掛けの席に案内されて。
央太と加野君が向かい合って座ったので、さり気なく玲奈が央太の横に。
そして私も戸惑いながら加野君の隣に座った。
「こういう場所って男同士じゃ来れねえよなぁ」
加野君が店内をキョロキョロ見回して照れ臭そうに笑う。
「だなー」
なんて気の抜けた返事をする央太は、玲奈と一緒にメニューを見ていた。
「なにがオススメ?」
「えっ……?えーっと!ホットケーキとハチミツラテ、かな」
隣にいる加野君がメニューを見ながら私に笑顔を向ける。
裏のなさそうな屈託の無い笑顔。
意外とよく笑う人なんだなと思って少し警戒が解けた。
「ホットケーキか。好きなんだ?」
クスッと笑われ何だか恥ずかしい。