イジワルなキミの隣で


「あいつねー、今相当荒れてんだよ」



ウサギ先輩は佐伯先輩の背中を心配そうに見つめながらボソッと呟いた。



「荒れてる?なんでですか?」



「今までわからなかったけど、今日やっとわかったよ。けど、萌絵ちゃんには秘密〜」



ニコッとしてウサギ先輩はまたケーキのショーウィンドウに目をやる。



さほど心配していないように鼻歌を歌いながら楽しそうにケーキを選ぶ姿を見て軽くため息を吐いた。



そりゃウサギ先輩はスッキリしただろうけど、私にはさっぱりわからない。



「教えて下さいよ、気になるじゃないですか」



「うーん、俺の口からは言えないから直接航希に聞いてみれば?」


< 385 / 420 >

この作品をシェア

pagetop