イジワルなキミの隣で
そんな瀬名君を見ていると、心なしか少し緊張が解けて来た。
月夜に照らされた夜道を並んで歩く。
訪れた沈黙。
ここは私から切り出した方がいいのかな。
それとも何か言って来るのを待つべきなんだろうか。
初めてなだけに
どうしたらいいのかわからない。
瀬名君の横顔をチラ見すると、何かを考えているような小難しそうな顔をしていた。
うーむ。
「あ、あのさっ」
悩み始めた時瀬名君から声をかけて来た。
「店ん中で勢いで言っちまったけどさ……結構マジだから。結構っていうか、かなりなんだけど」
「えっ、あ。う、うん……!」
真剣な瞳。
瀬名君はそう言って恥ずかしそうに目を伏せた。